Shared Questionnaire System

SQS MarkReaderSQS MarkReader利用マニュアル

2004/07/26作成
2004/11/03更新

このマニュアルでは,RTIVやScanSnapnなどのスキャナを用いて アンケートの回答内容をスキャンし,その画像を, 調査票原稿のPDFファイルと対応させて処理する事で, マーク記入内容のデータファイルの作成と, 自由記述欄の回答内容の画像ファイルの作成をして, その結果をExcelに読み込ませる,といった各段階での操作方法について, 説明をしていきます.


「回答されたアンケート用紙を画像ファイルとして読み込む」

この章では,アンケート画像をスキャンして, 一連の画像ファイル群を作成するための情報を提示します.

スキャンに必要なハードウェア・ソフトウェアの仕様

推奨されるスキャナの性能は以下の通りです.

なお,開発チームでは,上記の仕様を満たす製品である, Panasonic製 KV-S2026CN (USB2.0またはSCSI接続,白黒200dpiの両面読取速度は約40頁/分,市販価格20万円程度)を 採用して,各種のテストや利用をしています.

スキャンをする時の注意

スキャンの結果として生成されるべき,それぞれの画像については, 以下のような注意事項があります.

なお,スキャナとPCのセットが複数ある場合には, このスキャン作業を,複数台で,同時並行的に行うことができます.

スキャニング作業の流れ

次に示す手順に沿ってスキャニング作業をしてください.

  1. 回答されたアンケート用紙を,分析に用いる回答者集団ごとに 仕分けしてください.
  2. 回収されたアンケート用紙のページに落丁があると, 読み取られるページ順序にズレが生じてしまいます. 落丁が無いことを確認してください.
  3. 回答されたアンケート用紙が,ステープラー(ホチキス)などで 綴じられている場合には,綴じられている部分を,なるべく小さな 三角形を作るように,斜めに切り落としてください. このとき,アンケート用紙上下の ■ マークを切り落とさないよう, 注意してください.
  4. なるべく,用紙が傾いて読み込まれないように注意してください. たとえば,スキャナによっては,上述の指示のように綴じられている部分を切り落とすと, 切り落とされた部分が影響して,用紙が傾いて読まれてしまうことがあります. このような場合には,綴じられている部分を切り落とした原稿の束を, 上下逆向きにスキャナに差し込んで,スキャンをすることをおすすめします.
  5. スキャンを実行し,一連の画像ファイルを作成してください. 具体的な方法については,あなたの持っているスキャナのマニュアルを参照してください.

「スキャンした画像と原稿PDFが入ったフォルダ」の用意

ステップ1: 画像フォルダの表示をする

Windows XPには,フォルダに含まれている画像ファイルの縮小版を一覧表示する機能があります. この機能を用いて,スキャニングによって生成され,フォルダ内に保存された, 画像ファイルの内容の確認を行います.

  1. 縮小版一覧を表示します(画像ファイルを含むフォルダを表示して,その中で右クリック→「表示」→「縮小版」を選択)
  2. アイコンを名前で整列させます(画像ファイルを含むフォルダを表示して,その中で右クリック→「アイコンの整列」→「名前」を選択)
  3. フォルダを表示しているウィンドウの横幅を調整して,横1行に1人分づつの調査票のスキャン内容が表示されるようにします.

ステップ2: 余分な画像ファイルを削除する(もしあれば)

このように,ページの上下に■■■の無い画像ファイルが含まれている場合には, そうしたファイルを,MarkReaderによる処理を行う前に, フォルダから削除しておく必要があります. もし,こうした余分な画像ファイルが無い場合(通常の場合)には, このステップの以下の手順を飛ばして,次のステップ3に進んでください.

  1. 原稿に不要なページが含まれていないか,確認してください. もしあれば,それらをスキャンした画像は,一覧表示の縦の列として並ぶことになります.
  2. 原稿に不要なページが含まれている場合は,マウスを縦にドラッグして,それらをまとめて選択し,削除してください.

ステップ3: 画像ファイルの落丁・順序違い・2重読み込みを調整する(もし必要ならば)

スキャンを画像ファイルに,落丁・順序違い・2重読み込みなどの不正なものがあると, MarkReaderで処理をしたときに,そのファイル以降の処理が正常に行われません. もし,こうした不正な画像ファイルが無い場合(通常の場合)には, このステップの以下の手順を飛ばして,次のステップ4に進んでください.

画像ファイルに,落丁・順序違い・2重読み込みなどがないか,確認してください. もしあれば,それらをスキャンした画像は,一覧表示中で,ページの順序の乱れとして認識できます.

ステップ4: 原稿PDFのコピー(必須)

スキャンした画像の入っているフォルダの中に, その画像の元となっている調査票の原稿のPDFファイルをコピーしてください. このPDFファイルを間違えると,これ以降で,正しく処理が行われませんので, 注意してください.

なお,もし,スキャンした画像の入っているフォルダの中に, 原稿PDF以外の,関係のないPDFファイルがある場合には,そのファイルを 削除しておいてください.


「MarkReaderの実行」

この章では,MarkReaderについて,その操作手順について説明をします. MarkReaderは,スキャンされた画像を処理して, マーク式回答欄のマーク塗り潰し状況を解析したり, 自由記述欄の画像ファイルの切り出しを行うといったような機能を持つソフトウェアです.

ステップ1: MarkReaderの起動

ブラウザ上で「SQS MarkReader(マークシート読み取りソフト)」 をアクセスして,MarkReaderを起動します.

SQS MarkReaderの起動 SQS MarkReader
MarkReader

エラーが表示されて起動しない場合の対処方法

いったんMarkReaderをインストールした後に, 再度MarkReaderを実行する際に, サーバから必要なファイルが自動的にダウンロードされた後に, 「署名を検証できません」などのエラーが出て, MarkReaderを起動できないことが稀にあります. このような場合には,以下のような手順を行ってください.

  1. MarkReaderなど,JavaWebStartで起動したアプリケーションをすべて終了する.
  2. Windowsの「スタート」メニューから,「JavaWebStart」を起動する.
  3. 「JavaWebStartアプリケーションマネージャ」のウインドウの 「ファイル」→「設定」メニューから,「詳細」タブ→「アプリケーションフォルダオプション」の中の 「フォルダをクリア」のボタンを押し,「サイズ」が「0」になったことを確認する.「了解」を押す.
  4. MarkReaderを起動しなおす.

ステップ2: スキャンした画像と原稿PDFが入ったフォルダの指定

起動したMarkReaderの画面内の「入力:」と書かれたフィールドの中に, 「スキャンした画像と原稿PDFが入ったフォルダ」を, drag & drop してください(このフィールドにフォルダのパスを記入するか, 「選択…」ボタンを押してダイアログでフォルダを指定することもできます).

ステップ3: 処理結果の保存先フォルダ名の指定

(ステップ2でファイルを指定すると,自動的にステップ3に進みます. または,「保存」のボタンを押すことでも,ステップ3を実行できます)

処理結果の保存先フォルダ名を指定するための画面が開きます. フォルダ名を指定をしてください.

ステップ4: 処理

(ステップ3でフォルダ名を指定すると,自動的にステップ4に進みます)

進捗状況表示ウィンドウが開き,処理が行われます. インジケータによって,処理の進行状況が表示されます.

MarkReader Processing Status

「MarkReaderの処理エラーに対する原稿の修正」(必要な場合)

MarkReader処理後に, 「インジケータが緑色」になった場合には, 処理がすべて成功したということを意味しています. 次の「MarkReaderの処理結果の利用」へ進んでください.

しかし,MarkReader処理中・処理後に, 「インジケータが紫色・赤色」になった場合には, 処理中に,何らかのエラーが発生したということを意味しています.

「インジケータが紫色・赤色」 になった場合には,「スキャンした画像の入っているフォルダ名-ERROR」という フォルダが作成されて,この中に,エラー内容と, その対処のためのヒントを表す画像ファイルが 作成されています.

エラーに対応するためには,この, 「フォルダ名-ERROR」というフォルダの中を確認して, ファイル名に応じた処理をしてから, MarkReaderの「保存」ボタンを押して, MarkReaderによる処理をやりなおす,という手順を取ってください.

エラーの内容とその対処法には,以下ような種類があります.

エラーの種類その1: PageError

エラーの種類その2: GuideError

エラーの種類その3: MarkError


「処理結果の一覧」

「MarkReaderの処理結果の利用」その1:自由記述欄の画像ファイル

自由記述欄は、textarea.html というファイルによって一覧できます。

自由記述欄の画像は, TEXTAREAというフォルダの中に 元画像ファイル名-サンプル番号-設問番号.png という名前で保存されます.

「MarkReaderの処理結果の利用」その2:マーク記入内容の集計ファイル

マーク選択内容が,mark.htmlというファイルによって 一覧できます.

(マーク選択内容と自由記述欄を合わせた処理結果が, all.htmlというファイルによって 一覧できます)

mark.htmlall.htmlなどの画面内の表の中で, MarkError(ダブルマークなど)として指摘された箇所が, 「背景が紫色の升目」として強調表示されます. また,この升目の中の'?'から、エラー内容画像へとリンクされます. このエラー内容画像を参考にして,-csv.txtの修正をしてください.

最終的に,集計結果を定量的に分析するためには,CSVファイルを利用します. このCSVファイルは「MarkReaderの実行」ステップ3で指定したファイルに, マーク記入内容が,MS932エンコード,TAB区切り形式で保存されています.

このCSVファイルは,Excel上にdrag&dropするなどして,開くことができます.


「自由記述欄のテキスト起こし」

index.html の「自由記述欄のテキスト起こし」メニューから 「マーク欄+自由記述欄画像」または「自由記述欄画像」を開くと、 それぞれの自由記述欄画像の下にテキスト入力フォームが表示されますので、 画像から文字を読み取ってキーボードで打直したり、 分類・整理のための記号やメモを書き記すなどの方法で、 集計作業を行うことができます。

ページ左下端の「更新」ボタンを押すと,テキスト入力フォームに記入した内容が -csv.txtファイルとmark.htmlファイルに反映されますので,印刷して配布, Web上で公開,ワード・一太郎での再編集等に役立ててください.

※「自由記述欄のテキスト起こし」機能は、MarkReaderを起動した状態で利用して下さい. 起動してない場合はエラーになります. 「自由記述欄のテキスト起こし」機能は,ネットワーク未接続(オフライン)状態でも, 利用できます.

※Webブラウザ上でテキスト起こしの作業をするときには,TABキー,Shift+TABキー を用いると,自由記述欄画像とテキスト入力フォームを次々にフォーカスされ, 表示画面が自動的にスクロールされるので,入力作業を効率化できます.


以上

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