この大会における勝利チームを以下に示す.
この大会では,優勝チームと他のチームの間に低レベル(基本行動)スキルに関する明らかな格差が見受けられた.この点から見た 優勝チームの有利な点のひとつとして,他のチームよりもより強くボールを蹴る能力が挙げられる.優勝チームのプレーヤはプレ ーヤ自身の周囲でボールを絶えず蹴ることでその速度を増加させ,その結果,想像し得るよりも速くボールはゴールへと進んでい った.当時のサッカーサーバにはボールの最大速度に関する制限は無かったため,ほとんど止められることが出来ない程にボール が速く動くことが可能となってしまうというこの性質は,大会後ただちに修正された.このように低レベルスキルに優位性があっ たため,いかに戦略的に洗練されていようとも,優勝チームに勝つことの出来たチームは皆無であった.
RoboCup-97 にて,大会での試合結果に関わらず,科学的研究結果を承認することを目的として,RoboCup scientific challenge award の表彰制度が導入された.この1997年度は,シミュレーションリーグのサッカーチームの共進化による進化手法の有効性を示し たとして,メリーランド大学の Sean Luke 氏 [#!luke1997:genetic!#] が受賞した.