2050年までに,完全自律のヒューマノイドロボットのサッカーチームが FIFAの公式ルールに従って, World Cup [#!robocuphomepage2000:goal!#] の優勝チームに勝つ.
たとえ上記の目標が達成されなくとも,さまざまな技術進歩があるであろう.例えば,Peter Stone により
提案された Team-Partitioned, Opaque-Transition Reinforcement Learning (TPOT-RL)[#!Sto98!#]
という学習手法はコンピュータネットワークにおけるパケットルーティングに対して応用されている.TPOT-RL は
``エージェントが環境の状態変化について制限された情報しか持たない'' ([#!Sto98!#],
)
領域における分散型学習手法である.
ほとんどの RoboCup リーグにおいて,チームは敵チームに勝つために協力しあうロボットもしくはプログラムから成る. ただし,RoboCup Rescue とコメンテータエキシビジョンは他の RoboCup リーグとは異なる.敵を打ち負かすという 目標は RoboCup Rescue においては倫理的問題を引き起こす.なぜなら,我々は人の命や建造物に匹敵するような有用性 を与えることが出来ないからである.従って,RoboCup Rescue における焦点は異種エージェント間での協調的行動にある. コメンテータエキシビジョンにおいては,サッカーの試合を観察し解説することを目標としている.
RoboCup Rescue やコメンテータエキシビジョンに加えて,RoboCup チャレンジの主要な部分はサッカーゲームで 競い合ういくつかのリーグである.しかしながら,本書はシミュレーションリーグについてのマニュアルであるため, 以下ではシミュレーションリーグのみについて言及する.