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背景

Mackworth [#!mackworth1993:seeingrobots!#] は研究にサッカーを行うロボットを用いることを考 案した.しかしながら不運なことに,北野氏と浅田氏,そして国吉氏がそのアイデアを発展させ,ロボットJ リーグ[*] という研 究プログラムを提案するまで,この新しいアイデアは世間の反響を呼ぶことは無かった.1993年の秋,アメ リカの研究者数名がロボットJリーグに興味を持ち,それ以来 Robot World Cup Initiative または略 して RoboCup とプロジェクト名は変更した. RoboCupは時折 RoboCupチャレンジや, RoboCup ドメインと呼ばれる.

1995年,
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 [#!kitano1995:robocup!#] は第一回目のロボットサッカーの世界大会とそれに 関する会議を1997年に開催するよう計画した.RoboCup の目的は Deep Blue[*]. の登場後,''人工知能の 生命''といささか冗談交じりに呼ばれる AI やロボット工学に対する新しい標準問題を与える事であった. また,中央集権型の問題解決手法ではなく分散型解法に注目していること点や,昔から AI に関連した研究 分野だけでなく,ロボット工学,社会学,実時間のミッションクリティカルシステム(24時間365日止まらないこ とを要求されるシステム)といったさまざまな領域からの研究者によって取り組まれている点から,RoboCup は 従来の AI における研究とは異なると言える.

全ての研究者の尽力を統合するため,RoboCup 連盟が結成された.RoboCup 連盟の目標は,毎年の世界大会ト ーナメントを準備するなどして RoboCup を促進することである.RoboCup 連盟のメンバーは皆大学や一流企業 を代表する各研究分野において非常に活動的な研究者である.極めて多数で幅広い人々が RoboCup に関わるため, 各国・地域での RoboCup 関連のイベントを発展させるために地方委員会もまた結成されている.



2005-08-05