next up previous contents index
Next: シミュレーションリーグ Up: イントロダクション Previous: 背景   Contents   Index

RoboCupの目標

RoboCup 連盟はテストベッドの形式化と同時に最先端技術をさらに押し進めるため,その研究プロジェクトに 対して目標と予定表を設定した.``人類の月面着陸および地球への安全な帰還'' ([#!kennedy1961:apollo!#], 
\bgroupp.~8276\end{tex2html_bgroup}
) という John F. Kennedy による国家目標における主要な功績が, 宇宙飛行士が月面着陸し無事に帰還したことではなく,全体的な技術進歩にあったことと同様に,RoboCup における 最も重要な目標は社会の全体的な技術レベルを発展させることである.また,より現実的な達成されるべき目標は 以下の通りである:

2050年までに,完全自律のヒューマノイドロボットのサッカーチームが FIFA[*] の公式ルールに従って, World Cup [#!robocuphomepage2000:goal!#] の優勝チームに勝つ.

たとえ上記の目標が達成されなくとも,さまざまな技術進歩があるであろう.例えば,Peter Stone により 提案された Team-Partitioned, Opaque-Transition Reinforcement Learning (TPOT-RL)[#!Sto98!#] という学習手法はコンピュータネットワークにおけるパケットルーティングに対して応用されている.TPOT-RL は ``エージェントが環境の状態変化について制限された情報しか持たない'' ([#!Sto98!#], 
\bgroupp.~22\end{tex2html_bgroup}
) 領域における分散型学習手法である.

ほとんどの RoboCup リーグにおいて,チームは敵チームに勝つために協力しあうロボットもしくはプログラムから成る. ただし,RoboCup Rescue とコメンテータエキシビジョンは他の RoboCup リーグとは異なる.敵を打ち負かすという 目標は RoboCup Rescue においては倫理的問題を引き起こす.なぜなら,我々は人の命や建造物に匹敵するような有用性 を与えることが出来ないからである.従って,RoboCup Rescue における焦点は異種エージェント間での協調的行動にある. コメンテータエキシビジョンにおいては,サッカーの試合を観察し解説することを目標としている.

RoboCup Rescue やコメンテータエキシビジョンに加えて,RoboCup チャレンジの主要な部分はサッカーゲームで 競い合ういくつかのリーグである.しかしながら,本書はシミュレーションリーグについてのマニュアルであるため, 以下ではシミュレーションリーグのみについて言及する.



Subsections

2005-08-05