クライアント/サーバスタイルの第一弾(バージョン 0)は1994年の7月に LISP システムで作成された.このバージョンではX ウインドウ システムを用いてサッカーフィールドが表示されるようになったが,各プレーヤはまだアルファベットの文字で表示されていた.サーバと クライアントとの通信には TCP/IP プロトコルが用いられていた.この LISP バージョンのサッカーサーバが現在のサーバのオリジナル となった.従って,現在のサーバにおいてもサーバとクライアント間のプロトコルには S 式が用いられている.
LISP 版サッカーサーバは1995年の8月には C++ にて書き直された(バージョン 1).このバージョンが 同時期にカナダのモントリオール にて開催されたワークショップ ``IJCAI workshop on Entertainment and AI/Alife'' にて発表された.
1996年11月に大阪で開催された preRoboCup-96 の公式サーバを提供するため,バージョン 2 の開発は同年1月から始まった.このバー ジョンから,システムはサッカーサーバとサッカーディスプレイ(現在はサッカーモニタ)という2つのモジュールへと分割された.さらに, コーチモードという機能が導入された.これらの改良によって,機械学習に関する研究者が試合を自動実行することが可能になった. カーネギーメロン大学の Peter Stone 氏がこの段階でサッカーサーバの開発のための意志決定プロセスに加わった.例えば,彼は preRoboCup-96 にて採用された設定ファイルを作成した.
preRoboCup-96 の後,1997年8月に名古屋にて開催され,第一回目の世界大会となった RoboCup-97 のための公式サーバの開発がただち に開始され,同年の2月にはバージョン 0 が発表された.RMIT 大学の Simon Ch'ng 氏がこの段階からサッカーサーバの規定を決定する ことに加わった.以下に示す機能が新バージョンへと追加された.
バージョン 4 の開発は RoboCup-97 の後に開始され,1997年の11月に発表された.このバージョンから,Gal Kaminka 氏により準備された メーリングリスト上にてサーバの規定に関する議論がなされるようになった.結果として,多くの貢献者が開発に加わることとなった. バージョン 4 にて追加された機能を以下に示す.
バージョン 4 はジャパンオープン 98,RoboCup-98 and Pacific Rim Series 98 にて使用された.
バージョン 5 は ジャパンオープン 99 にて使用された.また,1999年の夏にストックホルムにて開催される RoboCup-99 でも採用されるだろう.
2000年にメルボルン大会ではバージョン 6 が,続く2001年の世界大会ではバージョン 7 が使われるであろう.