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視界の範囲

プレイヤが視認可能な領域は,いくつかの要素に従って決定される. まず第一に, シミュレータでは,視覚情報の基本送信間隔を決定する sense_stepパラメータと,プレイヤの通常の視界コーン角度の大き さを決定するvisible_angleパラメータが設定されている. 現在のデフォルト値はそれぞれ,150ミリ秒と90度である.

プレイヤは,ViewWidthViewQuality を変えることによっ て,視覚情報の頻度と品質を変化させることができる.

現在のview_frequencyview_angleの計算には,式 4.13と式4.14が用いられる.


\begin{displaymath}
\mbox{\textbf{\textsl{view\_frequency\index{view\_frequen...
...xtbf{\textsl{view\_width\_factor\index{view\_width\_factor}}}}
\end{displaymath} (13)

view_quality_factorは,ViewQualityhighの ときに1,lowのときに0.5となる. view_width_factorは,ViewWidthnarrowのと きに2,normalのときに1,wideのときに0.5となる.


\begin{displaymath}
\mbox{\textbf{\textsl{view\_angle\index{view\_angle}}}} =...
...xtbf{\textsl{view\_width\_factor\index{view\_width\_factor}}}}
\end{displaymath} (14)

view_width_factorは,ViewWidthnarrowのと きに0.5, normalのときに1, wideのときに2となる.

プレイヤは,物体との距離がvisible_distanceメートル以内に存在 するときにも,その物体を``見る''ことができる. 物体がこの距離内に存在するが視界コーン内には存在しない場合,観測者プレ イヤはその物体のタイプ(ボール,プレイヤ,ゴール,フラッグ)しか知ること ができず,物体の正確な名前を知ることはできない. この場合,物体の名前として,``B'', ``P'', ``G'', ``F''といった大文字の名前が用いられる. (視界コーン内であれば,物体の名前は,``b'', ``p'', ``g'', ``f''という小文字になる)

次の例と図 4.3は,[#!Sto98!#]から採用された.

Figure 4.3: サッカーサーバ内での個々のエージェントの視界の範囲. 観測者エージェントは白黒の円で表されている.白の半円がその前方で ある.黒の円は観測者エージェント以外の物体を表す. 観測者エージェントは,視界方向からview_angle$^\circ $/2 以内,または,visible_distance 以内の距離に存在する物 体のみを見ることができる. unum_far_length, unum_too_far_length, team_far_length, team_too_far_length は, プレイヤの識別精度に影響を与える.[#!Sto98!#]より引用.
Image view-example

view_angle パラメータの意味を,図 4.3に示 す.この図では,観測者エージェントは白黒の円で表されている.白の半円が その前方である.黒の円は観測者エージェント以外の物体を表す.観測者エー ジェントは,視界方向からview_angle$^\circ $/2 以内,または, visible_distance 以内の距離に存在する物体のみを見ることがで きる.この図の場合,物体 bg を見ることはできない. しかし,他の物体は全て見ることができる.

物体 f は,観測者エージェントの直接前方にいる.その方向は,0度 として報告されるだろう.物体 e の方向は,おおよそ-40$^\circ $ として,物体 d は,おおよそ20$^\circ $として報告されるだろう.

図 4.3にも示されているように,プレイヤに関する情報 の精度は,対象プレイヤとの距離によって変化する.充分近いプレイヤに関し ては,対象プレイヤのチームと背番号のいずれもが報告される.しかしながら, 距離が増加するとまず背番号が見え難くなり,更に遠く離れるとチーム名さえ も見え難くなる.サーバ内部では,unum_far_length $\leq$ unum_too_far_length $\leq$ team_far_length $\leq$ team_too_far_length と想定されている.対象プレイヤ との距離が dist であるとすると:

例えば,図 4.3 において,ラベルづけされた円を全てプ レイヤとする.このとき,プレイヤ c は,チーム名と背番号の両方 を識別されるだろう.プレイヤ d は,チーム名は確実に識別される が,背番号に関しては50%の識別確率となるだろう.プレイヤ e は, チーム名の識別確率が25%であるだけで,背番号は完全に不明となる.プレイ ヤ f は,単に無名のプレイヤとして認識されるのみだろう.


Table 4.2: 視覚センサに関するパラメータ
server.conf内のパラメータ
sense_step 150
visible_angle 90.0
visible_distance 3.0
unum_far_length$^a$ 20.0
unum_too_far_length$^a$ 40.0
team_far_length$^a$ 40.0
team_too_far_length$^a$ 60.0
quantize_step 0.1
quantize_step_l 0.01
 
$^a$ server.confには無いが,サーバに組 み込まれている



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Hidehisa Akiyama 2004-11-21