stat モジュールでは、 os.stat() 、 os.lstat() および os.fstat() (存在すれば) の返す内容を解釈するための定数や関数を定義しています。 stat() 、 fstat() 、および lstat() の関数呼び出しについての完全な記述はシステムのドキュメントを参照してください。
stat モジュールでは、特殊なファイル型を判別するための以下の関数を定義しています:
ファイルのモードがディレクトリの場合にゼロでない値を返します。
ファイルのモードがキャラクタ型の特殊デバイスファイルの場合にゼロでない値を返します。
ファイルのモードがブロック型の特殊デバイスファイルの場合にゼロでない値を返します。
ファイルのモードが通常ファイルの場合にゼロでない値を返します。
ファイルのモードが FIFO (名前つきパイプ) の場合にゼロでない値を返します。
ファイルのモードがシンボリックリンクの場合にゼロでない値を返します。
ファイルのモードがソケットの場合にゼロでない値を返します。
より一般的なファイルのモードを操作するための二つの関数が定義されています:
os.chmod() で設定することのできる一部のファイルモード — すなわち、ファイルの許可ビット (permission bits) に加え、 (サポートされているシステムでは) スティッキービット (sticky bit)、実行グループ ID 設定 (set-group-id) および実行ユーザ ID 設定 (set-user-id) ビット — を返します。
ファイルの形式を記述しているファイルモードの一部 (上記の S_IS*() 関数で使われます) を返します。
通常、ファイルの形式を調べる場合には os.path.is*() 関数を使うことになります; ここで挙げた関数は同じファイルに対して複数のテストを同時に行いたいが、 stat() システムコールを何度も呼び出してオーバヘッドが生じるのを避けたい場合に便利です。これらはまた、ブロック型およびキャラクタ型デバイスに対するテストのように、 os.path で扱うことのできないファイルの情報を調べる際にも便利です。
以下の全ての変数は、 os.stat() 、 os.fstat() 、または os.lstat() が返す 10 要素のタプルにおけるインデクスを単にシンボル定数化したものです。
Iノードの保護モード。
Iノード番号。
Iノードが存在するデバイス。
該当する Iノードへのリンク数。
ファイルの所持者のユーザ ID。
ファイルの所持者のグループ ID。
通常ファイルではバイトサイズ; いくつかの特殊ファイルでは処理待ちのデータ量。
最後にアクセスした時刻。
最後に変更された時刻。
オペレーティングシステムから返される”ctime”。あるOS(Unixなど)では最後にメタデータが更新された時間となり、別のOS(Windowsなど)では作成時間となります(詳細については各プラットフォームのドキュメントを参照してください)。
“ファイルサイズ” の解釈はファイルの型によって異なります。通常のファイルの場合、サイズはファイルの大きさをバイトで表したものです。ほとんどの Unix 系 (特に Linux) における FIFO やソケットの場合、”サイズ” は os.stat() 、 os.fstat() 、あるいは os.lstat() を呼び出した時点で読み出し待ちであったデータのバイト数になります; この値は時に有用で、特に上記の特殊なファイルを非ブロックモードで開いた後にポーリングを行いたいといった場合に便利です。他のキャラクタ型およびブロック型デバイスにおけるサイズフィールドの意味はさらに異なっていて、背後のシステムコールの実装によります。
以下の変数は、 ST_MODE フィールドで使用されるフラグを定義しています。
最初に挙げる、以下のフラグを使うよりは、上記の関数を使うほうがポータブルです:
ファイルタイプのビットフィールド用のビットマスク
ソケット
シンボリックリンク
通常のファイル
ブロックデバイス
ディレクトリ
キャラクターデバイス
FIFO.
以下のフラグは、 os.chmod() の mode 引数に使うこともできます:
UID ビットを設定する
グループIDビットを設定する。このビットには幾つかの特殊ケースがあります。ディレクトリに対して設定されていた場合、 BSD のセマンティクスが利用される事を示しています。すなわち、そこに作成されるファイルは、作成したプロセスの有効グループID (effective group ID) ではなくそのディレクトリのグループIDを継承し、そこに作成されるディレクトリにも S_ISGID ビットが設定されます。グループ実行ビット (S_IXGRP) が設定されていないファイルに対してこのビットが設定されていた場合、強制ファイル/レコードロックを意味します。 (S_ENFMT も参照してください。)
スティッキービット。このビットがディレクトリに対して設定されているとき、そのディレクトリ内のファイルは、そのファイルのオーナー、あるいはそのディレクトリのオーナーか特権プロセスのみが、リネームや削除をすることが出来ることを意味しています。
ファイルオーナーの権限に対するマスク
オーナーがリード権限を持っている
オーナーがライト権限を持っている
オーナーが実行権限を持っている
グループの権限に対するマスク
グループがリード権限を持っている
グループがライト権限を持っている
グループが実行権限を持っている
その他 (グループ外) の権限に対するマスク
その他はリード権限を持っている
その他はライト権限を持っている
その他は実行権限を持っている
System V ファイルロック強制。このフラグは S_ISGID と共有されています。グループ実行ビット (S_IXGRP) が設定されていないファイルでは、ファイル/レコードのロックが強制されます。
例を以下に示します:
import os, sys
from stat import *
def walktree(top, callback):
'''recursively descend the directory tree rooted at top,
calling the callback function for each regular file'''
for f in os.listdir(top):
pathname = os.path.join(top, f)
mode = os.stat(pathname)[ST_MODE]
if S_ISDIR(mode):
# It's a directory, recurse into it
walktree(pathname, callback)
elif S_ISREG(mode):
# It's a file, call the callback function
callback(pathname)
else:
# Unknown file type, print a message
print 'Skipping %s' % pathname
def visitfile(file):
print 'visiting', file
if __name__ == '__main__':
walktree(sys.argv[1], visitfile)